カンピロバクター
牛や鶏、豚の腸内には、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌O157など、食中毒の原因となるさまざまな菌が定着しています。
これらの食中毒菌は、と畜場等で解体処理されるときに、食肉やレバーなどに付着することがあり、こういった食肉などを、生や加熱不十分な状態で食べると、食中毒になる危険があります。
これは、もともと家畜の中にいる菌やと畜場等での汚染が原因であり、肉の新鮮さとはまったく関係ありません。
カンピロバクターは、細菌による食中毒の中で、近年、発生件数が最も多い食中毒菌です。
鶏肉などの食肉を生又は加熱不十分のまま食べたことによる食中毒が全国的に多発し、問題となっています。
令和2年には、市内飲食店において、カンピロバクター属菌を原因とする食中毒事件が連続して発生しました。いずれの事例においても、加熱用の食肉を加熱不十分な状態で提供していた実態があり、それらのメニューにより健康を害した可能性が考えられます。
主な原因食品
肉類(鳥の刺身・たたき、ユッケ、加熱不十分な焼肉など)
牛・豚のレバーや豚肉は、すべて加熱用です。
主な症状
下痢、腹痛(へその周り)、発熱(37~40℃)
発症するまでの時間:1~7日
乳幼児や高齢者など抵抗力の弱い方では、重症化する危険性もあり注意が必要です。
まれに、感染してから数週間後に、手足のしびれや顔面まひ、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。
特徴
感染力が強く、わずかな菌数で発症します。
熱に弱く、75℃以上1分間以上の加熱で死滅します。
予防方法
生肉は食べない!子どもに食べさせない!
生肉や加熱不十分の食肉は、食中毒の原因となることがありますので、食べないでください。
食卓での焼肉やバーベキューなどの際には、お子さまが、加熱不十分の肉を食べたり、生肉用の器具で食品を食べることのないように目を配りましょう。
肉を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。
食中毒菌を死滅させるには、中心部までしっかり加熱することが必要です
(75℃以上1分間以上が目安)。
特に加工処理(調味、筋切り、結着など)された食肉は、内部まで食中毒菌に汚染されている可能性があるので、必ず中心部まで十分加熱してから食べてください。
焼肉やすき焼きなどをするときは、「生肉の取り箸」と「食べる箸」を区別しましょう。
生肉についている食中毒菌が、箸を介して口に入り、食中毒になることがあります。
鶏肉は生で食べない!人にも勧めない!
「飲食店の肉は特別だから生で食べられる」は誤解です。
鶏肉をはじめとした食肉は、「加熱しなければ食中毒菌がいて当たり前」の食材です。
「飲食店には、スーパーなどと違い、特別に生で食べられる鶏肉が入荷されているのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、鶏の体内にカンピロバクタ―等の食中毒菌がいるのは普通のことであり、肉の解体処理の中で菌を完全に除去することは困難です。
飲食店だからといって、特別に安全な鶏の食肉を仕入れられるわけではありません。
よく加熱された鶏肉料理を選び、おいしく安全に食べましょう。
肉は生で食べないで。まわりに勧めないで。
幼児や高齢者に限らず、健康な成人でも肉の生食にはリスクがあります。
リンク
生・半生・加熱不足の鶏肉料理による食中毒について(札幌市HP)
生肉等による食中毒の防止について(札幌市HP)
キッチンメール40号「お肉の安全特集」(札幌市HP)
カンピロバクター食中毒予防について(厚生労働省HP)
問合せ先
札幌市保健所食の安全推進課
札幌市中央区大通西19丁目 WEST19ビル3階
電話番号:011-622-5170
ファクス番号:011-622-5177
更新日:2021年09月17日