いやだいやだのお年頃

 「いや!」と泣いたり怒ったりが多くなる1歳半以降の子どもに、どのように関わり、声をかけたらよいのか悩んでいませんか。一緒に考えてみましょう。

『いやだいやだ』はどうしてするの?

 生まれてから何をするにも身近な大人の関わりの中で、安心して過ごしていた子どもが、成長と共に「自分」という存在に気付き、自我が芽生え、自立に向けて成長していくと言われています。子どもは今まで以上に「自分はこうしたい」と思うことが多くなりますが、まだ上手く伝えられなかったり、自分の思った通りにできなかったりして、「いやだいやだ」と意思を表すようになります。

こんなとき、どうしたらいいの?

Q:食事や排泄、着替えなど身の回りのことを「いや!」と拒否されてしまいます。

 子どもは今していることを中断されたくない、続けたいという思いから、大人が別のことに誘っても「いや!」と言うことがありますよね・・・

そんなときは!

楽しい提案をして、次の行動を子どもに選んでもらいましょう!

例1:~オムツ替え編~

「この遊びが終わったら、オムツを替えようか?」

「それとも、オムツを替えたら、また遊びの続きをする?」

「それとも、お気に入りのミニカーに上手におトイレができるか見ていてもらう?」

「どれがいいかなぁ?」など

例2:~着替え編~

「上の服から着る?それともズボンから履く?どっちがいいかな?」

「絵本を読んだら、着替えようね。好きな絵本を選んでおいで~」など

 

複数の提案のから子どもが自分で選ぶことにより、「自分で決めた!」という満足感につながるようです。

どうにもならないときは・・・

 「いやだ」と言うことが習慣になっている場合もあるので、なんでも「いやだ」という場合は、「やってくれると嬉しいな」「これができたらかっこいいね」など意欲が出てくるような声かけが有効なこともあります。また、一旦子どもから離れて遠くから見守り、お互いに一息つくこともおすすめです。

 

 

Q:まだ一人ではできないことを「自分で!」とやりたがります。

 大人はまだできないだろうと思い、ついつい子どもがしようとしていることに手を出してしまい、「自分で!」と言われてしまうことがありますよね・・・

そんなときは!難しいところは大人が手伝い、できるところは本人にしてもらいましょう!

例1:~靴下編~

 靴下を履くときは、つま先を入れるところだけ大人が手伝い、かかとまで引っ張ることは子どもにしてもらう など

例2:~着替え編~

 ズボンやパンツを履くときは、足を入れるところは大人が手伝い、お腹まで上げることは自分でしてもらう など

 

子どもは「自分でできた!」の積み重ねが、満足感や自信につながり、自己肯定感が高まると言われています。子どもが自分でできたことをたくさん褒めてあげましょう。

余裕をもって関わることが難しいときは・・・

 「手伝ってもいい?」と聞いたり、「今、時間がなくて困っているんだ・・・手伝ってくれる?」と大人の気持ちを素直に伝えたりすると、理解してくれることがあります。すぐに納得してくれないこともありますが、途中までの頑張りを褒めて認めると落ち着くこともあります。

Q:「やりたい!」「ほしい!」と言い出したら、話を聞いてくれないときがあります。

 そろそろ次にすすみたいのに「まだやりたい!」と主張したり、お店で「これほしい!」とお菓子などを手に持ったりすることがありますよね・・・大人の都合もあり、子どもの要求を受け入れることが難しい場合もあると思います。

そんなときは!

見通しがもてるような声かけをしたり、目で見て分かるようにルールを伝えたりしてみましょう!

例1:「あと〇回滑り台をしたら帰ろうか」

例2:時計を見せて「長い針がここに来たら帰ろうね」 など

 

言葉だけではなく、実物・写真・絵など視覚に訴えることで、今まで伝わりづらかったことも、少しスムーズに伝わるようになるかもしれません。

ここまでと約束をしても、要求を続けるときは・・・

 何度も約束をし直すよりも、時には「約束だからね」と切り上げることも一つの方法です。子どもは全てが自分の思い通りにならないことを徐々に学んでいくでしょう。また、普段から大人が約束を守るようにしていると、少しずつ子どもなりに約束を守る大切さに気付くことができる場合もあります。

 

Q:思い通りにならないと、大声で泣いたり周りの人を叩いたりしてしまいます。

子どもの思いと他者の思いがすれ違うと、興奮して激しく表現することがありますよね・・・

そんなときは!

じっくり子どもの気持ちを聞いてみて、どうするとよかったのか伝えましょう!

例1:「何が嫌だったの?教えて?」「もしかして、まだ遊びたかったの?」など

例2:「叩かれたら悲しい気持ちになるから、お話して教えてね」

    「『まだ遊びたいよ』って教えてくれたら、嬉しいなぁ」など

危険な行動や他者を傷つけるなど、絶対にしてはいけないことは、目を見て真剣に伝えましょう。根気強く伝え続けることで理解してくれる日がくることを期待しましょう。

どうしても興奮が収まらないときは・・・

 場所を変えて「ちょっとお茶でも飲む?」など違うことに、意識をもてるようにするといいかもしれません。興奮が落ち着いたら、ゆっくり話をしてみましょう。

<まとめ>

 いやいや期は、子育ての中でも大変な時期の一つですが、必ず終わりがきます。子どもの成長発達に必要な過程と割り切り、様々な対処法を試してみましょう。 

 どんな状況でも、まずは子どもの気持ちを聞いて、受け止めましょう。「~したかったんだね」「~だったのね」などと気持ちに寄り添うことで、分かってもらえた!と少し気持ちが和らぐことが多いようです。

 また、子どもだけではなく、大人も譲歩するとよい場合があります。感情的に怒らないように感情をコントロールしながら、子どもの思いと大人の思いを伝え合い、お互いに納得できる答えを見つけていけたらいいですね。

いやだいやだのお年頃(PDFファイル:414.8KB)

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更新日:2021年11月17日