トイレトレーニング
「トイレトレーニング」とは、「練習」「訓練」という意味ではなく、排泄が自然と自立できるように、大人がサポートしてあげることです。
♪身体の発達とおしっこが出る仕組み
排泄の自立には、身体機能と脳の発達が関係しています。
●新生児~1歳くらい
膀胱が小さく、少し溜まると反射的にでてしまう。尿意の自覚はないが、おむつが濡れたことを感じて泣く。
●1歳くらい~
おしっこが出ている感覚が少しずつ分かってくる。膀胱も成長に伴い少しずつ溜められるようになる。排尿したタイミングでおむつを触ったり、出たことをしぐさで知らせたりするようになる。
●2歳くらい~
膀胱も大きくなり、ある程度おしっこが溜められる。脳の伝達機能も発達し、おしっこが溜まった感覚を意識できるようになる。
●3歳くらい~
尿意を感じて、出る前に伝えられるようになってくる。
♪トイレトレーニングを始める前に・・・今日からできること
●まめにおむつを換えてあげることは、おしっこが出て『濡れて気持ちが悪くなる事』、取り替えて貰う『清潔の心地よさ』に気付きやすくなる。また、大人は、排尿のタイミングをつかみやすくなる。
●おむつ交換の時には、「おしっこでたね」「すっきりして気持ちがいいね」と声をかける。
♪いつ頃から始めたらいいの・・・?
トイレトレーニングを考えた時、一番迷うのが「いつ始めるか」だと思います。
開始時期を決めるポイントは、月齢ではなく、お子さんの心や体が、「自分でトイレに行く」ための準備が出来ているかどうかです。
大脳と身体の発達の観点から、以下の3つのポイントを確認してみましょう。
●発達には個人差があるので、お子さんの状態に合わせて始めましょう。
早く始めたからといって、早くトレーニングが終わるわけではありません。
●あせらずに、ゆったりとした気持ちでスタートし、お子さんと保護者の方のペースで進めましょう。
Let's トイレトレーニング!
1. おしっこの間隔を知りましょう
〇少しだけ時間を意識して、おむつ交換してみましょう!
・食事やおやつの前後、起床時など、生活の節目で交換してみる。
・1時間半程度を目安に、おむつをチェックしてみる。
2.おしっこやトイレに興味をもたせてみましょう
○おむつ交換の時に声をかける。
・「おしっこ出たね」「きれいにしようね」「気持ちいいね」など、おしっこが出たことやきれいになった気持ちよさを言葉と行動で伝えていく。
○家のトイレを見せて興味をもたせる。
○補助便座やおまるを用意してみる。
3. トイレに誘ってみましょう
〇こんな時が誘うチャンス!
・朝起きたとき、お昼寝から起きたとき。
・何だかモジモジしている。
・前回のおむつ交換から1時間半近くたっているがおむつが濡れていない。
〇トイレに誘ったら…
・座って出なくても焦らず、3分位座ったらお子さんの気持ちを認めつつ、切り上げる。出るまで座らせるのは、逆効果になることもある。
・偶然でもおしっこが出たら、一緒に喜びたっぷり褒める。
「おしっこの3つの感覚」を繰り返して教えましょう!
4. 布パンツにしてみましょう
○トイレに誘ったときに、半分以上トイレでできるようになった。
○自分の意思でおしっこが出せるようになった。
・初めのうちは汚しても当たり前と割り切り、おもらししても怒らずに対応する。
・なかなかトイレで出ない場合は、思い切って布パンツにしてしまうのも方法の1つだが、おもらししてしまうことがストレスになっているようであれば、おむつに戻して様子を見る。
5. 仕草や言葉などで教えてくれるのを待つ
〇誘われてトイレでできるようになったら、誘うタイミングを遅くするなど、自分から教えてく
れるまで待つ。
・初めは間に合わない時もあると、ゆったりと受け止めよう!
*あらかじめ、汚れたら困るものを片付けるなど予防対策をしておく。
♪トイレトレーニングの意欲につながるトイレの工夫
★トイレに楽しみを作ってみる
・パンツ、補助便座やタンクなどに子どもの好みのものや目を引くものを取り入れてみる。
・おもちゃの持ち込みは、衛生面と「遊ぶ場所」ではないと知らせるため、持ち込まないようにする。
★成功を目に見えるようにしてみる。(シールなど)
♪トイレトレーニングに必要なもの
1. おまる、または補助便座
●おまる
・尿意を感じたときにすぐに誘える。
・おしっこの量を目視できる。
・床に足がつくのでふんばりやすい。
●補助便座
・家庭のトイレをそのまま使える。
・幼児には高いため踏み台が必要。
2. パンツ・・・多めに準備する
●布パンツ
子ども自身が濡れた感覚をダイレクトに感じられる。自立後も続けて使える。
●トレーニングパンツ
複数重構造になっているため、おしっこが漏れにくい。
反面、厚みがあるため洗濯後乾きづらい。
※どちらにも長所、短所があるので、生活スタイルに合ったものを選びましょう。
♪うんちのトレーニング
・うんちを出すときは、腹筋を使っていきむ動作をするため、周りの大人には分かりやすい。
・うんちのリズムをつかむ。
・食事の後は、トイレに誘うチャンス。
・規則正しい食生活とバランスの取れた食事、適度な運動を心がける。
♪おねしょ ・・・ 昼間のおしっこのメカニズムとは異なります
・おねしょは、膀胱の大きさと、おしっこの量を濃くして減らす働きがある抗利尿ホルモンが関係している。日中のおしっこのように、感覚でコントロールすることはできない。成長とともに、ホルモンが順調に分泌され、膀胱が発達していくことで自然となくなる。
・夜中に起こすと、眠りが浅くなりホルモンバランスが崩れて逆効果になる。
・寝る前は、水分を控えめ目にする。
自分からおしっこが教えられるようになり、トイレでできるようになったら完了です。
★「トイレトレーニング」の基本は、褒め認めることです。
失敗も前向きに捉え、たくさん褒めてあげることが自信につながります。
お子さんのペースに合わせ、あせらずに進めていきましょう。
更新日:2022年12月28日